【2026年最新】中小企業向けSaaS経費精算ツール8選を徹底比較|料金・機能・選び方
中小企業が経費精算をSaaS化すべき理由
「月末になると経費精算の書類が山積みになる」「Excelの入力ミスで差し戻しが頻発する」——こうした悩みを抱える中小企業は少なくありません。
経費精算のSaaS化は、こうした非効率を根本から解消する有効な手段です。ここではまず、従来の運用で発生しているコストと、SaaS導入で得られる効果を整理します。
紙・Excel運用で発生する3つのコスト
紙やExcelによる経費精算には、見えにくいコストが潜んでいます。
1. 人件費の増大(手入力・確認作業)
経理担当者がExcelに手入力し、領収書と突き合わせ、金額を確認する——この一連の作業には、従業員50名規模の企業で毎月約20〜30時間を費やしているケースも珍しくありません。時給換算すると、年間で数十万円のコストが「経費精算だけ」に消えている計算です。
2. 申請ミス・差し戻しによる時間ロス
手書きや手入力では、金額の転記ミス、科目の選択間違い、領収書の添付漏れが頻繁に発生します。差し戻しのたびに申請者・承認者・経理の3者にやり取りが発生し、1件あたり平均15〜30分のロスが生まれます。
3. 法改正対応の属人化リスク
2023年のインボイス制度開始や電子帳簿保存法の改正など、経費精算に関わる法制度は頻繁に変わります。紙・Excel運用では、法改正のたびに経理担当者が手動でフォーマットや運用ルールを更新する必要があり、担当者が退職すると対応できなくなるリスクがあります。
SaaS経費精算で得られる具体的な効果
SaaSツールを導入すると、上記の課題を仕組みで解決できます。
- 月次締め作業を最大70%短縮:自動集計・自動仕訳により、経理担当者の月末作業が大幅に削減されます。従来3日かかっていた締め作業が1日以内に完了するケースも多く報告されています。
- スマホ撮影でレシート入力を自動化:OCR(光学文字認識)機能により、レシートをスマホで撮影するだけで金額・日付・取引先が自動入力されます。手入力の手間とミスを同時に削減できます。
- インボイス制度・電子帳簿保存法に自動対応:法改正があってもSaaS側がアップデートしてくれるため、自社で対応方法を調べる必要がありません。常に最新の法制度に準拠した運用が可能です。
中小企業こそSaaSが向いている理由
「SaaSは大企業向けでは?」と思われがちですが、実はコストや運用面で中小企業にこそメリットがあります。
- 初期費用ゼロ・月額数百円から始められる:多くのSaaS経費精算ツールはクラウド型のため、サーバー購入やシステム構築が不要です。1ユーザーあたり月額300〜500円程度から利用できるサービスもあります。
- 専任IT担当がいなくても運用可能:直感的なUIと充実したサポート体制により、ITに詳しい担当者がいなくても導入・運用が可能です。設定もブラウザ上で完結します。
- 従業員数に応じた柔軟な料金体系:使った分だけ課金されるため、従業員が増減しても無駄なコストが発生しません。成長フェーズの企業にとって、スケーラビリティの高さは大きな魅力です。
中小企業向けSaaS経費精算ツールの選び方5つのポイント
SaaS経費精算ツールは数多く存在しますが、自社に合わないものを選ぶと「導入したのに使われない」という事態になりかねません。ここでは、比較検討時に必ずチェックすべき5つの評価軸を紹介します。
①料金体系(月額費用・初期費用・最低利用人数)
中小企業にとって、コストは最も重要な判断基準の一つです。
- 1ユーザーあたり月額300〜800円が相場:サービスによって価格差があるため、自社の従業員数で月額総額を試算しましょう。10名なら月額3,000〜8,000円、50名なら15,000〜40,000円が目安です。
- 無料プランの有無と機能制限の確認:無料プランがあるサービスもありますが、利用人数や機能に制限がある場合がほとんどです。自社に必要な機能が無料範囲に含まれるかを事前に確認してください。
- 年払い割引の有無:年間一括払いにすると10〜20%割引になるサービスが多いため、長期利用が前提なら年払いがお得です。
②会計ソフト・給与計算との連携対応
経費精算ツール単体の機能だけでなく、既存の会計ソフトとスムーズにデータ連携できるかが業務効率を大きく左右します。
- freee・マネーフォワード・弥生との連携可否:中小企業で利用率の高いこの3つの会計ソフトとの連携対応は必ず確認しましょう。とくにマネーフォワード クラウドや弥生シリーズをすでに導入済みの場合は、同シリーズの経費精算ツールを選ぶとデータ連携がスムーズです。
- CSV出力だけでなくAPI連携があるか:CSV連携では手動でのインポート作業が発生します。API連携なら仕訳データがリアルタイムで会計ソフトに反映され、二重入力が不要になります。
- 仕訳の自動生成機能の有無:経費申請データから自動的に仕訳を生成してくれる機能があると、経理担当者の作業がさらに効率化されます。
③電子帳簿保存法・インボイス制度への対応
2024年1月から電子帳簿保存法の電子取引データ保存が完全義務化され、インボイス制度も本格運用が始まっています。法令対応は選定時の必須チェック項目です。
- JIIMA認証取得の有無:JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証を取得しているサービスは、電子帳簿保存法の要件を満たしていることが第三者機関により確認されています。
- タイムスタンプ付与の自動化:電子帳簿保存法ではタイムスタンプの付与が求められます。手動で付与する運用はミスの温床になるため、自動付与に対応しているかを確認しましょう。
- 適格請求書の自動判定機能:インボイス制度では、適格請求書発行事業者の登録番号を確認する必要があります。国税庁のデータベースと連携して自動判定してくれる機能があると、確認作業が不要になります。
④スマホアプリの使いやすさと承認フロー
現場の従業員が日常的に使うツールだからこそ、使いやすさは導入定着のカギを握ります。
- OCR精度とレシート読み取り速度:OCRの読み取り精度はサービスによって差があります。無料トライアル期間に実際のレシートで精度を確認するのがおすすめです。
- 多段階承認・条件分岐の設定柔軟性:「金額5万円以上は部長承認を追加する」「交際費は役員承認を必須にする」など、自社の承認ルールに合わせた設定ができるかを確認しましょう。
- プッシュ通知による承認リマインド:承認者への通知機能がないと申請が滞留し、月末に未承認の経費が溜まる原因になります。プッシュ通知やメール通知で承認を促す機能は必須です。
⑤サポート体制と導入支援の充実度
SaaSツールは「導入して終わり」ではなく、運用定着までのサポートが重要です。
- 導入時の初期設定サポートの有無:承認フローや勘定科目の設定など、初期セットアップを支援してくれるサービスを選ぶと、導入がスムーズに進みます。
- 電話・チャット・メールの対応チャネル:困ったときにすぐ相談できる窓口があるかを確認しましょう。中小企業では専任のIT担当がいないケースも多いため、サポートの手厚さは選定の重要な基準です。
- ヘルプページ・動画マニュアルの充実度:現場の従業員がセルフで操作を学べるコンテンツが充実していると、経理担当者への問い合わせが減り、定着が早まります。
【比較表】中小企業向けSaaS経費精算ツール8選一覧
ここからは、中小企業におすすめのSaaS経費精算ツール8サービスを一覧で比較します。料金・主要機能・連携・法対応を横並びで確認し、自社に合うサービスを絞り込んでください。
比較表(料金・主要機能・連携・法対応)
| サービス名 | 月額費用(税抜) | 無料トライアル | 最低契約人数 | 会計ソフト連携 | 電帳法対応 | インボイス対応 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽楽精算 | 3万円〜 | あり | なし | freee・弥生・MF | ○ | ○ |
| マネーフォワードクラウド経費 | 1ユーザー500円〜 | あり | なし | MF会計と一体 | ○ | ○ |
| freee経費精算 | 会計freee内包 | あり | なし | freee会計と一体 | ○ | ○ |
| ジンジャー経費 | 1ユーザー500円〜 | あり | 10名〜 | freee・弥生・MF | ○ | ○ |
| TOKIUM経費精算 | 1万円〜 | あり | なし | freee・弥生・MF | ○ | ○ |
| バクラク経費精算 | 1万円〜 | あり | なし | freee・弥生・MF | ○ | ○ |
| Concur Expense | 要問い合わせ | あり | なし | 主要ソフト対応 | ○ | ○ |
| HRMOS経費 | 1ユーザー800円〜 | あり | なし | freee・弥生・MF | ○ | ○ |
※料金は2026年2月時点の公式サイト掲載情報に基づきます。最新の料金は各サービスの公式サイトでご確認ください。
比較表の見方と自社に合った絞り込み方
比較表を見ても「結局どれがいいの?」と迷ってしまう方は、以下の3ステップで絞り込むのがおすすめです。
- 従業員10名以下なら無料プランのあるサービスを優先:freee経費精算は会計freeeユーザーなら追加費用なしで利用できるため、小規模企業の第一候補になります。
- 既存の会計ソフトとの連携を最優先で確認:すでにfreeeを使っているならfreee経費精算、マネーフォワード クラウドを使っているならマネーフォワードクラウド経費を選ぶのが最もスムーズです。会計ソフトとの相性が合わないと、結局手動でのデータ移行作業が発生します。
- 承認フローの複雑さに応じて選定:シンプルな1段階承認で十分なら操作性重視で選び、多段階承認や条件分岐が必要なら楽楽精算やジンジャー経費など設定の柔軟性が高いサービスを検討しましょう。
主要SaaS経費精算ツール8選の特徴と料金を詳しく解説
比較表で気になったサービスについて、それぞれの特徴・強み・おすすめの企業規模を詳しく見ていきましょう。
楽楽精算|導入社数No.1の安心感
累計導入社数18,000社以上を誇る、国内シェアNo.1の経費精算システムです。中小企業から大企業まで幅広い導入実績があり、サポート体制が手厚いのが特徴です。
- 月額費用:3万円〜(利用人数に応じて変動)
- 強み:導入実績No.1の安心感、電話・メール・チャットの充実したサポート、承認フローの柔軟なカスタマイズ
- 注意点:少人数の企業には月額3万円〜のコストがやや割高に感じられる場合があります
- おすすめの企業:従業員30名以上で、手厚いサポートを重視する企業
マネーフォワードクラウド経費|バックオフィス一元管理に最適
マネーフォワード クラウド会計・給与・勤怠と一体で運用できるのが最大の強みです。バックオフィス業務をまとめてクラウド化したい企業に最適です。
- 月額費用:1ユーザーあたり500円〜
- 強み:会計・給与・勤怠との一気通貫の連携、クレジットカード明細の自動取得、レポート・分析機能が充実
- 注意点:マネーフォワードの他サービスを使っていない場合、連携メリットが薄れます
- おすすめの企業:すでにマネーフォワードシリーズを利用中、またはバックオフィス全体のクラウド化を検討中の企業
freee経費精算|小規模企業・スタートアップの第一候補
会計freeeを利用中の企業であれば、追加費用なしで経費精算機能を利用できます。小規模企業やスタートアップにとって、最もコストパフォーマンスの高い選択肢です。
- 月額費用:会計freeeの料金に含まれる(会計freeeは月額2,680円〜)
- 強み:追加費用なし、会計データと完全連動、シンプルなUI
- 注意点:経費精算に特化した高度な機能(多段階承認など)は他社に比べてやや限定的です
- おすすめの企業:従業員10名以下の小規模企業、すでに会計freeeを利用中の企業
ジンジャー経費|人事労務と一元管理
人事労務・勤怠管理・給与計算と一元管理できるジンジャーシリーズの経費精算モジュールです。UIがシンプルで、ITリテラシーを問わず導入しやすいのが特徴です。
- 月額費用:1ユーザーあたり500円〜
- 強み:人事労務と一元管理、直感的なUI、導入サポートが充実
- 注意点:最低利用人数が10名〜のため、少人数企業には向きません
- おすすめの企業:従業員10名以上で、勤怠管理や給与計算もまとめて効率化したい企業
TOKIUM経費精算|レシート入力代行で手間ゼロ
レシートを封筒に入れて送るだけでオペレーターが代行入力してくれる「レシート入力代行」が最大の特徴です。経理担当者の手間を限りなくゼロに近づけたい企業におすすめです。
- 月額費用:1万円〜
- 強み:レシート代行入力で入力作業ゼロ、99.9%以上の入力精度、電子帳簿保存法に完全対応
- 注意点:代行入力のため、申請から反映までにタイムラグが発生する場合があります
- おすすめの企業:経理担当者のリソースが限られており、入力作業を完全にアウトソースしたい企業
バクラク経費精算|AI-OCRとモダンなUXが魅力
AI-OCRの精度が業界トップクラスで、スタートアップや成長企業から高い支持を得ています。モダンなUIと高速な動作が特徴です。
- 月額費用:1万円〜
- 強み:AI-OCRの高い読み取り精度、洗練されたUI/UX、API連携の充実
- 注意点:比較的新しいサービスのため、大規模企業での導入実績は楽楽精算などと比べると少なめです
- おすすめの企業:最新のUI/UXを重視するスタートアップや成長企業
Concur Expense|グローバル対応が必要な企業向け
SAP傘下のグローバル経費精算ツールで、世界中で利用されています。海外拠点がある中小企業や、出張経費の管理が多い企業に適しています。
- 月額費用:要問い合わせ(企業規模・要件に応じた個別見積もり)
- 強み:多通貨・多言語対応、グローバルな出張管理機能、法人カード連携の充実
- 注意点:国内のみの運用では機能過多になる場合があります。料金も他サービスと比べて高めの傾向です
- おすすめの企業:海外拠点があり、出張経費管理や多通貨対応が必要な企業
HRMOS経費|HR領域と連動した経費管理
ビズリーチを運営するVisionalグループのサービスで、勤怠管理・人事評価などHRMOSシリーズと連携できるのが特徴です。人事データと経費データを一元管理したい企業に向いています。
- 月額費用:1ユーザーあたり800円〜
- 強み:HRMOSシリーズとの連携、部門別コスト分析機能、わかりやすい管理画面
- 注意点:経費精算単体で見ると、他サービスと比べて割高に感じる場合があります
- おすすめの企業:HRMOSシリーズを導入済み、または人事領域と経費精算を一体管理したい企業
導入前に知っておきたい注意点とよくある失敗
SaaS経費精算ツールを導入して「思ったほど効果が出なかった」というケースには、いくつかの共通パターンがあります。ここでは事前に知っておきたい注意点を紹介します。
よくある失敗①:現場に使い方が浸透しない
ツールを導入しても、現場の従業員が使い方を理解していなければ「結局Excelに戻る」という事態に陥りがちです。導入時には全社説明会の実施やマニュアル整備など、定着のための施策もセットで計画しましょう。
よくある失敗②:会計ソフトとの連携が不十分
「連携対応」と記載があっても、CSV出力のみで手動インポートが必要なケースがあります。API連携でリアルタイムにデータ同期できるかを必ず確認してください。
なお、経費精算だけでなく会計業務全体のクラウド化を検討している場合は、弥生シリーズやマネーフォワード クラウドのように会計・経費・給与を一気通貫で提供しているサービスを選ぶと、連携の課題を根本から解消できます。
よくある失敗③:料金プランのミスマッチ
「安いから」と最安プランを選んだ結果、必要な機能が使えずアップグレードが必要になるケースがあります。料金だけでなく、自社に必要な機能が含まれるプランかどうかを事前に確認しましょう。無料トライアル期間を活用して、実際の業務フローで問題なく運用できるかをテストするのがおすすめです。
SaaS経費精算ツールの導入ステップ
SaaS経費精算ツールの導入は、以下のステップで進めるとスムーズです。
ステップ1:現状の業務フローを可視化する
まず、現在の経費精算の流れ(申請→承認→経理処理→支払い)を書き出し、どこにボトルネックがあるかを洗い出します。
ステップ2:無料トライアルで2〜3サービスを試す
本記事の比較表を参考に候補を2〜3サービスに絞り、無料トライアルで実際に操作してみましょう。特に以下の点を重点的に確認してください。
- 自社のレシートでOCR精度を確認
- 承認フローが自社ルールに合うか検証
- 会計ソフトとのデータ連携が正常に動作するか確認
ステップ3:導入・運用ルールを策定して全社展開
サービスを決定したら、運用ルール(申請期限、承認者の設定、経費区分のルールなど)を策定し、全社に周知します。導入初月は問い合わせが増えるため、窓口を明確にしておくことが大切です。
バックオフィス全体の効率化を目指す場合は、経費精算に加えて勤怠管理のクラウド化もあわせて検討すると効果的です。Remoba労務のようなアウトソーシングサービスを併用すれば、経理・労務の業務負荷をさらに軽減できます。
まとめ|自社に合ったSaaS経費精算ツールで業務効率を改善しよう
本記事では、中小企業向けのSaaS経費精算ツール8選を料金・機能・法対応の観点で徹底比較しました。
最後に、企業タイプ別のおすすめサービスを改めて整理します。
| 企業タイプ | おすすめサービス |
|---|---|
| 従業員10名以下の小規模企業 | freee経費精算(会計freee利用中なら追加費用なし) |
| バックオフィス全体をクラウド化したい | マネーフォワード クラウド経費 |
| 手厚いサポートを重視する | 楽楽精算 |
| 入力作業を完全になくしたい | TOKIUM経費精算 |
| 海外拠点・多通貨対応が必要 | Concur Expense |
どのサービスも無料トライアルが用意されているため、まずは気になるサービスを2〜3つ試してみることをおすすめします。実際に操作してみることで、自社の業務フローにフィットするかどうかが明確になります。
経費精算の効率化は、経理担当者だけでなく全従業員の生産性向上につながります。本記事を参考に、自社に最適なSaaS経費精算ツールを見つけてください。