SaaS経費精算ツール比較|中小企業向けおすすめ7選【2025年最新】
中小企業が経費精算をSaaS化すべき理由
「月末になると経費精算の書類が山積みになる」「Excelの入力ミスで差し戻しが頻発する」——こうした悩みを抱える中小企業は少なくありません。
経費精算業務は、紙やExcelによる運用からSaaS(クラウド型)ツールへ移行することで、大幅な効率化が可能です。本記事では、中小企業に最適なSaaS経費精算ツール7選を比較し、選び方から導入の流れまで徹底解説します。
結論を先に知りたい方へ:少人数(10名以下)ならマネーフォワード クラウド、中規模(11〜100名)ならバクラク経費精算がコスパ・機能のバランスに優れています。
紙・Excel運用が招く3つのリスク
従来型の経費精算には、以下のようなリスクが潜んでいます。
1. 入力ミス・二重計上の発生
手入力に頼る運用では、金額の打ち間違いや同じ領収書の二重申請が起こりがちです。ある調査では、手作業の経費精算において約3〜5%の入力エラーが発生するとされています。件数が増えるほど、確認・修正の手間も膨らみます。
2. 月末に集中する経理負担
紙の申請書やExcelファイルが月末にまとめて届くと、経理担当者の業務が一気に逼迫します。残業が常態化し、本来注力すべき経営分析や資金繰りの業務が後回しになるケースも珍しくありません。
3. インボイス制度・電子帳簿保存法への対応遅れ
2023年10月に開始されたインボイス制度、そして電子帳簿保存法の改正により、紙ベースの管理では法令対応が困難になっています。適格請求書の確認や電子データの保存要件を手作業で満たすのは、現実的とは言えません。
SaaS経費精算ツール導入で得られる効果
SaaS型の経費精算ツールを導入すると、具体的に以下のような効果が期待できます。
- 申請〜承認のリードタイム短縮:スマホから申請でき、承認者もワンタップで処理可能。従来3〜5日かかっていた承認フローが、最短即日で完了します。
- 経理工数の平均60%削減:OCRによる自動入力や仕訳の自動生成により、経理担当者の作業時間を大幅にカットできます。導入企業の多くが月間20時間以上の工数削減を実感しています。
- 法令対応の自動アップデート:電子帳簿保存法やインボイス制度の要件変更にも、ツール側が自動で対応。法改正のたびに社内ルールを見直す負担がなくなります。
中小企業こそSaaSが向いている理由
「SaaSは大企業向けでは?」と思われがちですが、実は中小企業にこそメリットがあります。
- 初期費用ゼロ・月額数百円から始められる:多くのツールがクラウド型のため、サーバー構築や高額なライセンス費用は不要です。1ユーザーあたり月額300〜500円程度から導入できるサービスもあります。
- 専任IT担当不要で運用可能:直感的なUIと充実したサポートにより、IT部門がない企業でも問題なく運用できます。
- 従業員数に応じた柔軟な料金体系:人数の増減に合わせてプランを変更できるため、成長フェーズの企業にも最適です。
中小企業向けSaaS経費精算ツールの選び方5つのポイント
数多くあるSaaS経費精算ツールの中から自社に合ったものを選ぶために、以下の5つの評価軸を押さえておきましょう。
① 料金体系とコストパフォーマンス
まず確認すべきは料金体系です。
| 課金方式 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 人数に関係なく定額 | 従業員数が多い企業 |
| 従量課金型 | 利用人数に応じて変動 | 少人数・変動がある企業 |
無料プランの有無も重要なチェックポイントです。無料プランは機能制限があるものの、操作感を把握するには十分です。また、最低契約期間(1ヶ月・6ヶ月・1年など)も事前に確認しておきましょう。短期間で解約できないと、合わなかった場合にコストが無駄になります。
② スマホ対応とUI・操作性
外出や出張が多い企業では、スマホ対応の充実度が導入成功のカギを握ります。
- レシート撮影・OCR精度:スマホカメラで領収書を撮影するだけで、金額・日付・取引先を自動読み取りできるか。OCR精度は製品ごとに差があるため、無料トライアルで必ず試しましょう。
- 外出先からの申請しやすさ:アプリの起動から申請完了まで、ストレスなく操作できるかが重要です。
- ITリテラシーが低い社員でも使えるか:全社員が利用するツールだからこそ、直感的に操作できるUIが求められます。導入後の定着率にも直結するポイントです。
③ 会計ソフト・給与計算との連携
経費精算ツール単体で完結するケースは少なく、会計ソフトや給与計算との連携が業務効率を左右します。
- freee・マネーフォワード・弥生などとのAPI連携:リアルタイムでデータが同期されるAPI連携があると、二重入力が不要になります。特にマネーフォワード クラウドは会計・給与・勤怠まで一元管理できるため、連携の手間自体を省けます。
- CSV出力フォーマットの柔軟性:API連携がない場合でも、CSVで柔軟にデータ出力できれば対応可能です。
- 仕訳の自動生成機能:経費データから自動的に仕訳を作成してくれる機能があると、経理の手間が大きく減ります。
なお、会計ソフトとの連携を重視するなら、弥生シリーズも有力な選択肢です。弥生会計との親和性が高い経費精算ツールを選ぶことで、仕訳の二重入力をなくせます。
また、バックオフィス業務全体の効率化を検討されている方は、AI議事録作成ツール日本語対応8選|精度を徹底比較も参考にしてみてください。会議の議事録作成もSaaSで自動化できる時代です。
④ 法令対応と内部統制機能
法令対応は、ツール選定で絶対に外せないポイントです。
- 電子帳簿保存法のJIIMA認証有無:JIIMA認証を取得しているツールなら、法的要件を満たしていることが第三者機関によって証明されています。
- インボイス制度への対応状況:適格請求書発行事業者の登録番号チェック機能があるかどうかを確認しましょう。
- 承認ワークフローのカスタマイズ性:金額に応じた承認ルートの分岐や、部門ごとの承認者設定など、自社の内部統制に合わせた柔軟な設定ができるかも重要です。
⑤ サポート体制と導入支援の充実度
中小企業では専任のIT担当がいないケースも多いため、ベンダーのサポート体制も選定基準に加えましょう。
- 導入時のオンボーディング支援:初期設定を一緒に進めてくれるか、設定代行サービスがあるかを確認しましょう。
- 問い合わせ対応のスピードと手段:チャット・電話・メールなど、自社に合った問い合わせ手段があるかも重要です。
- ヘルプドキュメントや動画マニュアルの充実度:自己解決できる情報が整備されていると、運用開始後もスムーズです。
【比較表】中小企業向けSaaS経費精算ツールおすすめ7選
ここでは、中小企業に人気のSaaS経費精算ツール7製品を一覧で比較します。
比較表:料金・主要機能・連携先一覧
| ツール名 | 月額料金(税抜) | 初期費用 | 最低利用人数 | 無料トライアル | OCR | 交通系IC連携 | クレカ連携 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽楽精算 | 30,000円〜 | 100,000円〜 | なし | ○ | ○ | ○ | ○ |
| マネーフォワード経費 | 2,980円〜/名 | 無料 | なし | ○ | ○ | ○ | ○ |
| freee経費精算 | 1,980円〜(会計込) | 無料 | なし | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ジンジャー経費 | 500円〜/名 | 要問合せ | 10名〜 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| TOKIUM経費精算 | 10,000円〜 | 要問合せ | なし | ○ | ○ | ○ | ○ |
| バクラク経費精算 | 10,000円〜 | 無料 | なし | ○ | ○ | ○ | ○ |
| コンカー | 29,000円〜 | 要問合せ | なし | △(デモ対応) | ○ | ○ | ○ |
※料金は2025年2月時点の公開情報に基づきます。プランや条件により変動する場合があります。
従業員10名以下におすすめのツール
少人数の企業では、コストの低さと手軽さが最優先です。
freee経費精算は、freee会計とセットで利用すれば月額1,980円〜と非常にリーズナブル。経理と経費精算を一体管理できるため、少人数体制に最適です。
**マネーフォワード クラウド**も、バックオフィス全体をマネーフォワードクラウドで統一している企業には有力な選択肢です。スマホアプリの使いやすさにも定評があり、会計・給与・勤怠との連携で経理業務をまとめて効率化できます。
いずれも無料トライアルが用意されているため、まずは実際に試してみることをおすすめします。
従業員11〜100名規模におすすめのツール
従業員が増えてくると、承認フローの柔軟性や部門別管理の充実度が重要になります。
楽楽精算は、導入社数18,000社以上の実績を持ち、承認ワークフローのカスタマイズ性に優れています。やや価格は高めですが、中規模企業の複雑な組織構造にも対応できる機能の厚さが魅力です。
バクラク経費精算は、AI-OCRの精度の高さとインボイス対応の手厚さで急速にシェアを伸ばしています。初期費用無料で月額10,000円〜と、コストパフォーマンスも良好です。
主要SaaS経費精算ツール7選の特徴と口コミ
ここからは、各ツールの強み・弱み・利用者の声を個別に見ていきましょう。
楽楽精算|導入社数No.1の定番ツール
累計導入社数18,000社以上を誇る、経費精算SaaSの代名詞的存在です。
- 強み:カスタマイズ性の高い承認ワークフロー。金額・部門・プロジェクトなど複数の条件で承認ルートを分岐でき、内部統制の強化に役立ちます。交通費の自動計算やクレジットカード連携も充実しています。
- 弱み:月額30,000円〜(初期費用100,000円〜)と、少人数企業にはコスト負担が大きい点が挙げられます。
- 口コミ:「承認フローの自由度が高く、複雑な組織体制でもスムーズに運用できている」「サポートの対応が丁寧」という声が多い一方、「小規模で使うには割高」という意見もあります。
マネーフォワード経費|会計連携に強い
マネーフォワード クラウドシリーズの一つとして、バックオフィス業務を一元管理できるのが最大の特徴です。
- 強み:マネーフォワード会計・給与・勤怠とのシームレスな連携。経費データがそのまま仕訳に反映されるため、転記の手間がゼロになります。スマホアプリのUIも直感的で評価が高いです。
- 弱み:単体利用だとコストメリットが薄い場合があります。マネーフォワードクラウドをフル活用する前提での導入が望ましいでしょう。
- 口コミ:「会計との連携がスムーズで、月次決算のスピードが上がった」「アプリから申請できるので、営業社員の負担が減った」と好評です。
freee経費精算|小規模事業者に最適
freee会計との一体運用が最大の強みで、個人事業主〜従業員数十名規模の企業に幅広く支持されています。
- 強み:freee会計を利用していれば追加コストを抑えて経費精算機能を使えます。経費精算だけでなく、ワークフロー機能(稟議・各種申請)も内蔵されているため、複数ツールを使い分ける必要がありません。
- 弱み:大規模企業向けの高度な承認フローや部門管理には対応が限定的です。
- 口コミ:「freeeの中で完結するので管理がラク」「確定申告時にもデータがそのまま使えて助かる」という声が目立ちます。
バクラク経費精算|AI-OCRとインボイス対応に強み
バクラク経費精算は、AI-OCRの読み取り精度が高く、インボイス制度対応にも力を入れています。適格請求書の登録番号を自動でチェックする機能があり、経理担当者の確認負担を軽減します。初期費用無料で導入しやすい点も好評です。
TOKIUM経費精算|領収書の入力作業をゼロに
TOKIUM経費精算は、領収書の代行入力サービスというユニークな特徴を持っています。領収書をスマホで撮影して送るだけで、オペレーターが代わりにデータ化してくれるため、OCRの誤読リスクもありません。入力作業を完全にゼロにしたい企業に向いています。
ジンジャー経費|バックオフィスを一元管理
ジンジャー経費は、人事労務・勤怠管理・給与計算と一元管理できるジンジャーシリーズの一つです。1ユーザー月額500円〜と手頃で、バックオフィスを一つのプラットフォームに集約したい企業におすすめです。
なお、勤怠管理の導入も同時に検討している場合は、Relix勤怠もあわせてチェックしてみてください。経費精算と勤怠管理を同時にクラウド化することで、バックオフィス全体の効率が大幅に向上します。
コンカー|グローバル対応のエンタープライズ品質
コンカーは、世界シェアNo.1の経費精算・出張管理クラウドです。グローバル展開を見据えた企業に強みがありますが、中小企業向けの「Concur Standard」プランも用意されています。多通貨対応や海外出張の精算が多い企業に適しています。
SaaS経費精算ツール導入の流れと成功のコツ
ツールを選定したら、次は導入です。スムーズに運用を定着させるための3ステップを解説します。
ステップ1:導入前の準備——現状の課題整理と要件定義
導入の成否は、事前準備の質で決まると言っても過言ではありません。
- 現行の経費精算フローを可視化する:誰が申請し、誰が承認し、最終的にどのように処理されているのか。現状のフローを図に書き出すことで、課題が明確になります。
- 必須機能と優先度を社内でリストアップ:「OCRは必須」「会計ソフトとの連携が最優先」など、譲れない機能をチームで合意しておきましょう。
- 無料トライアルで2〜3社を並行検証:カタログスペックだけでは分からない操作性やサポートの質を、実際に使って確認します。
ステップ2:導入時の設定と社内展開のポイント
ツールが決まったら、初期設定と社内展開を丁寧に進めましょう。
- 勘定科目・承認ルートの初期設定を丁寧に行う:ここが雑だと、運用開始後に修正が頻発し、現場が混乱します。経理担当者と管理者が協力して設定を進めるのがベストです。
- マニュアル作成と説明会で社員の不安を解消:新しいツールへの抵抗感は、丁寧な説明で軽減できます。スクリーンショット付きの簡易マニュアルを用意すると効果的です。
- 段階的なロールアウトで混乱を防止:全社一斉導入ではなく、まず1つの部署でパイロット運用し、問題がないことを確認してから全社展開するのが安全です。
ステップ3:運用定着のために押さえるべきポイント
導入して終わりではなく、運用を定着させることが本当のゴールです。
- 月次で利用状況をモニタリング:申請率・承認までのリードタイム・差し戻し率などをKPIとして追いかけましょう。数値に改善が見られない場合は、運用ルールの見直しが必要です。
- 経理担当者からのフィードバックを吸い上げる:現場で使っている人の声を定期的にヒアリングし、設定や運用ルールに反映させましょう。
- 定期的に新機能・アップデートをチェック:SaaSは継続的に機能がアップデートされるのが強みです。リリースノートを定期的に確認し、業務改善に活用できる新機能がないか確認しましょう。
バックオフィス業務をさらに効率化するには
経費精算のSaaS化は、バックオフィスDXの第一歩です。さらに業務効率を高めるために、以下の領域もあわせて検討してみてください。
労務管理のアウトソーシング
経費精算と同様に、労務管理もクラウド化・外部委託で大きく効率化できる領域です。社会保険手続きや入退社手続きなどの定型業務は、Remoba労務のようなオンライン労務アウトソーシングサービスを活用することで、少人数の管理部門でも無理なく対応できます。
会計ソフトの見直し
経費精算ツールの導入を機に、会計ソフト自体の見直しも検討する価値があります。弥生シリーズは中小企業・個人事業主向けの定番会計ソフトで、多くの経費精算ツールとの連携実績があります。経費精算と会計の連携をスムーズにすることで、月次決算のスピードアップが期待できます。
まとめ:自社に合ったSaaS経費精算ツールを選ぼう
中小企業がSaaS経費精算ツールを選ぶ際のポイントをおさらいします。
| 企業規模 | おすすめツール | 選定のポイント |
|---|---|---|
| 10名以下 | freee経費精算 / マネーフォワード経費 | コストの低さ・会計ソフトとの一体運用 |
| 11〜50名 | バクラク経費精算 / ジンジャー経費 | コスパと機能のバランス・法令対応 |
| 51〜100名 | 楽楽精算 / TOKIUM経費精算 | 承認フローの柔軟性・部門管理の充実度 |
まずは無料トライアルで2〜3社を試し、自社の業務フローに合うか確認するのが、失敗しない導入の鉄則です。
経費精算の効率化は、経理担当者の負担軽減だけでなく、企業全体の生産性向上につながります。本記事の比較情報を参考に、ぜひ自社に最適なツールを見つけてください。
▼ バックオフィス全体を効率化したい方はこちらもチェック
- マネーフォワード クラウド:会計・経費・給与・勤怠を一元管理
- 弥生シリーズ:中小企業の定番会計ソフト
- Relix勤怠:クラウド勤怠管理
- Remoba労務:オンライン労務アウトソーシング